「空気を読む」は「考えない」につながる愚行だ 危険!「思考逃避」という落とし穴(上)

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――思考逃避を招く要因としては、どのようなものが考えられますか?

私は、大きく以下の3つの要因があると考えています。

1.空気を読みすぎる。
2.組織のお作法を重視する。
3.他人の言うことを鵜呑みにする。

 

順番に解説していきましょう。

空気を読みすぎる

宇田 左近(うだ・さこん)ビジネス・ブレークスルー大学経営学部長。荏原製作所取締役、原子力損害賠償・廃炉等支援機構参与(東京電力調達委員会委員長)、日米医学医療交流財団理事。 マッキンゼー・アンド・カンパニー等を経て現職。インフラ系企業の企業変革、および金融機関の企業変革・組織改革に従事。また医療機関における医療経営革新を継続的に支援。東京電力福島原子力発電所事故調査委員会調査統括等を歴任。

典型的な日本企業は、国籍、性別、年齢、学歴などがきわめて似通った、同質性の強い組織です。こういった組織で働く人は「所属する企業、団体、グループの中で、空気を読んで自らの立ち位置を決め、それから考える」という訓練を自然に強要されています。日常の何気ないことの積み重ねによって、いつの間にかとんがったところのない常識人が醸成されていく可能性があります。

――具体的には、どのようなことでしょうか?

たとえば、ある課題について、AとBという2つの解決法が提案されているとしましょう。「考え抜ける」人なら、最初にあらゆる前提条件を確認したうえで、課題の真の解決法としてAとBのどちらが優れているかを判断しようとします。

しかし、空気を読みすぎる人は、まず「自分の立ち位置」の確認から入ります。「自分は営業マンだから」「自分は経理担当だから」などといった職務の違いや、「自分は下っ端だから」「部長はAを推しているから」などといった年次や役職の違いを、まずは考える。

そのうえで、自分の職務や年次、役職に「暗黙のうちに」求められている発言をするのです。あるいは、「発言しない」ことが求められるのであれば、素直にそれに従う。そうしないと、組織の中で自分の立ち位置が危うくなってしまうと考えるため、一度こういった悪癖がつくと、なかなか修正できません。

さらに問題なのは、こういった悪癖が「当たり前」になると、それを疑問に思わなくなることです。「どこか変だ」とすら思えなくなる。この記事を読んでいて、「自分は違う」と高をくくっている人が、実はいちばん危ないかもしれないのです。

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