現在は、部下の仕事のやり方やキャリアを一緒に作っていくキャリアディベロップメントの仕事をしている。部下がどのようなビジョンを持って仕事をしているかを把握し、それに沿うように現在の仕事をこなせるようにしていくというものだ。教育に携わってきた経歴があることもあり、部下が自己実現をして成長していく姿を見るのがやりがいだと言う。
育児にも応用できそうな仕事だが、育児はビジネスのようにはいかない。「毎日試行錯誤しています。キャリアだけみると輝かしく見えるかもしれないけれど、日々アップアップしながら働いています」
仕事を続けられるのは家族の支えと上司の理解、そして子どもたちを通じて知り合ったママ友の協力があってこそだと明かす。同じワーキングマザーのママ友とはストレスを分かち合う仲だし、専業主婦のママ友とは料理の差し入れや、学校の書類の内容確認など、それぞれが得意な分野で協力しあっている。
「ひとりで何でもやろうとしたら潰れていると思う。自分の得意なことを提供し、助け合うことは必須です」頼れる親族が周りにいない分、「自分のできること」を軸に周りの協力を得ることは、ワーキングマザーとして仕事と育児の両立を図るコツだと強調するミワさん。持ちつ持たれつの関係が大切であることは、世の東西を問わない。
フルタイムのナニーを雇うのは必要な投資
米国人のシェリルさんは、米国人の夫と7歳と3歳の子どもを持ち、コロラド州に本社を構えるオンラインマーケットリサーチの企業に勤務している。米国北西部とカリフォルニアを担当する責任者として、新規顧客開拓や既存顧客のフォローをしている。勤務地はシアトルの自宅で、フルタイムの在宅勤務というスタイルになる。
電話やメッセンジャーを駆使して本社とミーティングをしつつ、直接顧客を訪問し、フォローアップもする毎日だ。
月に1週間、業務のフォローも兼ねてコロラド州デンバーにある本社への出張もこなす。車社会のシアトルでは通勤時の渋滞が深刻な問題となっているが、顧客を訪問する時間を渋滞の影響を受けにくい時間帯に設定するなどして、移動のストレスを軽減している。フルタイムで仕事をしていること、そして出身が他州であるため両親などのサポートが得られないという理由で、第1子の誕生を機に家事、育児をサポートとするフルタイムのナニーを雇うことを決めた。
米国のナニーは高額(フルタイムの場合、月平均2000ドル程度)だが、家族に必要な投資と位置付けている。ナニーによる虐待や誘拐などが発生することもあるだけに、信頼できる現在のナニーを見つけるまで、20人ほど面談したという。
子どもをナニーに任せきりにしているわけではない。在宅勤務のメリットを生かして勤務時間を調整し、子どもの通う幼稚園のボランティアや野球チームのアシスタントコーチを積極的に引き受けている。家で仕事をしていると、孤独になりがちなこともあり、コミュニティへ参加することの必要性を感じたからだそうだ。何より「学校の送り迎えだけの生活は嫌だったし、ママ同士で情報を交換する必要もあると思ったの」と、積極的な育児への姿勢がそうさせた。
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