「便秘の解消」専門医が導き出した"30年間の結論" 「腸の老化」の改善は、1日たった30秒でできる

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ほかに、腸内環境の悪化も、お腹のトラブルの大きな原因となります。

腸内にはおびただしい数の腸内細菌がいますが、ストレスや食生活の乱れなどが原因で腸内細菌のバランスが悪化し、有害菌が優勢になると、有害菌の出す有害な物質によって腸のぜん動運動が鈍くなり、便秘になりやすくなります。

あるいは逆に、有害菌の出す有害物質を早く排出しようとして、ぜん動運動が活発になりすぎ、下痢が起こりやすくなります。

年齢を重ねると、咀嚼力や消化吸収能力の低下、運動量の低下などにより食が細くなって栄養が偏りがちになり、有用菌にとって必要な食物繊維や乳酸菌、ビフィズス菌、オリゴ糖などを摂りづらくなるため、腸内環境が乱れやすくなります。

また、水分摂取量が減ったり、水分を体内に保持する力が低下したりするため、どうしても便が硬くなり、排出されにくくなってしまいます。さらに、副交感神経の働きが弱くなって腸のぜん動運動が過剰に抑制され、排便に必要な感覚器官の機能や筋力も低下します。

更年期を迎え、ホルモンのバランスが崩れると、自律神経が乱れやすくなりますし、糖尿病やパーキンソン病、認知症、甲状腺疾患、脳卒中といった高齢者に多い病気も、腸の働きを悪くします。こうしたさまざまな原因から、一般的に、高齢になると、便秘になりやすくなるのです。

お腹のトラブルがもたらす、さまざまな悪影響

腸内環境が悪化し、便秘や下痢などお腹のトラブルが生じると、まず集中力が低下したり、食事や外出を楽しめなくなったりします。

腸内環境が悪化すると自律神経も乱れるため、頭痛、めまい、動悸、息切れ、血圧上昇、多汗、食欲低下、冷え、肩こり、倦怠感、不眠といった全身症状や、イライラ、不安、抑うつ、パニック障害といった精神症状があらわれやすくなり、免疫細胞が力を発揮できなくなって免疫力が低下し、病気にかかりやすくもなります。

下痢が長く続くと、日常生活に支障が出たり体力を消耗したりするほか、体内の水分や栄養分などが失われ、脱水症状や栄養失調を引き起こすことがあります。

一方、便秘になると、腸内の便が腐敗して体にとって有害な物質が発生し、有害菌が増えて腸内環境がさらに悪化します。その結果、便やおならから異常な臭いがしたり、口臭や体臭がきつくなったりします。

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