ギリシャの財政危機は収束に向かうのか。ギリシャのチプラス政権は、EU(欧州連合)側に提出した改革案について国民の賛否を問うべく、7月5日に国民投票を実施した。その結果、反対票が全体の61.31%を占めた。国民投票の直後、これにより、ギリシャの財政危機の解決が遅れるのではないかという懸念が広がった。
結局「5日の国民投票」はどんな意味があったのか?
国民投票の結果を受け、チプラス政権は、再びEU側との交渉に臨み、9日夜、EUなどから新たな金融支援を受ける条件となる構造改革案をEU側に提示した。
この改革案の内容は、これまでEU側が求めていた改革案とかなり近いものだった。特に、国民投票で反対票を投じた国民が嫌っていた緊縮財政策が、ギリシャ側の提案にはかなり盛り込まれていた。
たとえば、離島で適用されている付加価値税(日本での消費税に相当)の軽減税率は、観光客が多く所得が高い島から段階的に廃止する。レストランや公共交通などに適用されている付加価値税率は、現行の軽減税率13%から標準税率の23%に引き上げる。
法人税率は26%から28%に引き上げる。年金の支給開始年齢を、これまでの62歳前後から原則67歳に引き上げる。貧しい年金生活者への特別給付制度を2019年までに段階的に廃止する。軍事費は2016年までに3億ユーロ削減する。こうした内容が含まれていた。
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