女性営業には「弱さ」を見せられる強さがある Honda Cars茨城南の「勝ちパターン」<下>

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土田さんがきっかけとなり、Honda Cars茨城南では女性営業が6人に増えました

ノルマ達成や顧客都合など、旧態依然とした働き方を強いられることが多い営業の世界では、家事や育児を一身に背負わされがちな女性は、仕事を継続するのが難しい面がありました。しかし、土田さんはそういった女性自身の考え方に「ノー」を唱えます。

「今は女性も一生働き続ける時代になりました。お客様との信頼関係を築き、お客様から必要とされている以上、私たちもずっと働いていくこと自体がモチベーションになるのです。だから、両立できないと嘆くのではなく、両立することを前提に、パートナーやご両親と家事や育児を分担することに力を注ぐことが重要です」(土田さん)

そういった女性営業のロールモデルはまだまだ少ないですが、土田さんは”顧客の中”に、それを見つけたといいます。

あえて弱さを見せ、ホンネを分かち合う

「先輩ママのお客様にある日、仕事と家庭を両立できないジレンマを相談したら、『大丈夫! 母親が真剣に働いていたら子どもは脇道に逸れることはないから」と励ましてくださって。いい具合に肩の力を抜くことができました」(土田さん)

いくら才能や志があって高い成果を上げていても、大きなストレスを抱えてしまうなら仕事を継続することは不可能です。「営業は強くなければいけない」と考える人は、いまだ多いはず。でも、あえて周囲に弱さを見せ、ホンネを分かち合うことで絆を育めるのは、競争社会が前提の男性営業にはない、女性営業の強みなのかもしれません。

「女性には車なんて売れない!」「営業は強くなくてはいけない!」といった固定観念を、しなやかに打ち破ってくれた土田さんのエピソード。そして彼女を時に厳しく、真摯に支える男性リーダーの存在。上司部下かくあるべしといった姿に、思わず胸を熱くせずにいられませんでした。

いきなり「営業の神様」と呼ばれるようなスター選手を目指さなくとも、コツコツと顧客の信頼を獲得し、着実な成果を上げる。そんな「普通の女性」にもチャンスを提供し、共に成長しながら結果を導き出すという取り組みの先にこそ、女性が輝ける社会がきっとあるに違いありません。

(構成:井口啓子)

営業部女子課とは、主宰の太田彩子が2009年に立ち上げた、営業女子を応援するためのコミュニティです。女性営業職の活躍を拡げることで、結果男女ともに輝きながら働ける社会創造を目指しています。詳しくはこちらをご覧ください。
また「営業部女子課presents夏の女子会2015」を7月25日(東京)、8月2日(大阪)に開催します。この日は、営業女子が主役の日。営業女子ならではの気持ちを共有しながら、明日のエネルギーを「ここ」から創ります! 営業女子はもちろん、営業女子を応援したいサポーター席もご用意しています。詳しくはこちらをご覧下さい。

 

太田 彩子 「営業部女子課」主宰

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おおた あやこ / Ayako Ota

一般社団法人 営業部女子課の会 代表理事(「営業部女子課」主宰)。早稲田大学卒業後、リクルート・ホットペッパーの企画営業として社内表彰であるMVP制度にて表彰を複数回受ける。その後独立し、ダイバーシティプロジェクトや女性活躍支援に携わり、のべ5万人以上の女性営業を支援してきた。2009年より営業女子のための応援コミュニティ『営業部女子課』を全国で展開し、営業女子の活躍を目的とした勉強会やイベントを開催。NHK「グラン・ジュテ」や日本テレビ「news ZERO」、日経新聞などメディア出演多数。代表著書に『売れる女性の営業力』(日本実業出版社)、『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版)、『営業女子 働き方の基本がわかる教科書』(プレジデント社)などがある。内閣府特命担当大臣表彰「平成28年度女性のチャレンジ賞」受賞。日本政府主催「WAW!2016」アドバイザー。株式会社ベレフェクト代表取締役。アライドアーキテクツ株式会社社外取締役。太田彩子ブログはこちら。営業部女子課サイトはこちら

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