「見える金融」は広がるか、鎌倉投信の100年計画
8月26日朝。岐阜羽島駅(岐阜)に、全国から約60人の個人投資家が集まった。参加者の中心は30~40代の会社員。平日であるため、多くは休暇を取得しての参加だ。
バスに乗り込み、向かった先は二つの企業。1社目は電設資材メーカーの未来工業。年間休日140日前後、定年70歳などの労働環境を実現しながら、経営の工夫でユニークな製品を多数生み出している。
もう1社は、国内で唯一、プラスチックトレーのリサイクルを手掛けるエフピコ。工場での作業の多くを障害者が担っていることが特徴だ。
「自分が投資したお金がどう使われているかを知る貴重な機会」。参加者の30代男性はそう語った。
1万円の中身が見える金融の仕組みを作る
この企業見学ツアーを企画したのは、投資信託の運用・販売会社である鎌倉投信。従業員9人のベンチャー企業だ。「結い2101」と名付けた国内株の投信を運用している。
投資家から幅広く資金を集め、なるべくリターンの大きな運用をして還元する--。同社はそうした従来の運用会社と2点で大きく異なる。
1点目は運用の目的。年率4%の目標リターンを掲げつつも、「いい会社への投資」を標榜している。
「いい会社とは、本業で社会問題を解決し、勤めたら幸せそうとか、みんながいいねと言える会社」と運用責任者の新井和宏氏は説明する。