企画が浮かばない元凶「思い込み」を排除する技術 「前提ありき」会話がもたらす思わぬ弊害とは

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もう1つは「どのように、実現するのか(HOW)」のアイデアです。例えば、商品名を考えたり、世の中で効果的なプロモーションを考え出したり、CMのプランニングをするといったことも、この「HOW」のアイデアの領域です。

ついつい仕事をする中で、私たちは「HOW」のアイデアに目がいきがちですが、仕事で“無双”するには「何をすべきか(WHAT)」をしっかり考えることがとても重要です。

というのも、WHATが定まらないまま手段ばかりを追いかけても、成果には結びつきづらいからです。

WHATのアイデア次第で、私たちの仕事は力強く前進することもあれば、驚くほど停滞もします。

人々の生活をなまなましく捉える

私が経験した実際の事例を一部加工して、面白いほどアイデアが生まれるプロセスを見ていきましょう。

「オランダに日本が誇る日本食『明太子』を販売したい」

と、ある商社に勤務するIさんから相談を受けたとき、私は直観的に「これはハードルが高いお題だな」と感じました。

上司は簡単にヨーロッパの市場に食い込めると考えていたようですが、実際にはなかなか難しく、彼女自身も行き詰まっていました。そこで、私にアドバイザー役として白羽の矢が立てられたのです。

最初に、IさんはGoogleで「オランダ 食事 明太子」と検索してみます。日本語で検索した結果を見ても、ピンとくる情報はヒットしません。明太子の通販サイトやレシピはたくさん出てきますが、オランダとの関係がイマイチわかりません。

続いて、X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeでも検索してみました。すると、一般家庭での料理動画はいくつか見つかりましたが、だからといって、それ以上何かがわかるわけではありません。

1週間探しても、「これだ!」という欲しい情報が見つからないまま、「完全に迷子になってしまった」とガッカリしていました。

皆さんもアイデア出しに悩んだとき、スマホやパソコンで関係するキーワードを手当たり次第に検索することがあるでしょう。しかし、なかなか納得のいく情報は得られないものです。

それでも私は彼女にあきらめずに、検索し続けるよう伝えました。できる限り人々の生活がなまなましく見えるような情報に触れながら、自由に考えることを勧めてみたのです。

そして、このプロセスこそがIさんを大きく前進させていきます。

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