「ダイエットの成否」を分ける"睡眠時間の壁" 寝不足では「運動」や「栄養管理」も意味がない

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このように、睡眠時間が短いことと肥満傾向の関連を示した報告はさまざまな人種・年齢・性別を対象にした研究でされており、7時間以上寝ることの重要性を示しています。

なぜ睡眠不足が体重増加につながるかについても議論はされていて、これまでに分かっている理由はいくつかあります。

まず、睡眠不足の状態では食欲のコントロールが困難になること。ある研究では、たった4日間の睡眠不足で、いつも以上の量の食事を摂ってしまったり、たった2時間前に食事をしたばかりなのに高脂質なお菓子をたくさん食べてしまったりする傾向が示されました。

数日間の睡眠不足で、空腹感の増加、暴食頻度の増加、食事量の増加、チョコレート摂取の増加、脂質摂取の増加などが起こりますが、これは空腹を感じさせるグレリンというホルモンが増加し、満腹感に関係のあるレプチンが減少することが関係しているとされています。

さらに、睡眠不足の状態が数日続くだけで、糖の代謝能力が落ちてインスリン抵抗性を引き起こしたり、1日を通して代謝が落ちる可能性も示唆されています。

こうした数々の研究から分かっているのは、睡眠時間が少ない生活をしていること自体が、食欲のコントロールを難しくし、身体の代謝機能を低下させているということ。つまり、睡眠不足を解消しない限り、いくら起きている間に頑張っても結果につながりにくいダイエットをしてしまう可能性があるということなのです。

日本人の睡眠時間は「世界最短」クラス

働き者で有名な日本人は、他国と比べても圧倒的に睡眠時間が少ない傾向があります。日本の平均睡眠時間は6時間30分以下です。

これは韓国やサウジアラビアよりも低く、世界で最短クラス。私も日本で生活をしていた時は6時間台の睡眠なんて当たり前のようにしていましたし、周囲には私より寝ていない人がたくさんいました。「寝てない自慢」なんて言葉も生まれるほど、寝る間を惜しんで働くことが賞賛される価値観が今でも根強く残っていますよね。

一方、ニュージーランドに移住してからは生活のリズムが変わり、8〜9時間寝るようになりました。

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