そして、今回示すアップルとソニーの株価の推移はどうか。アップルとソニーの株価の差は、前回に見た日米の平均株価の差より、もっと激しい。アップルの現在の株価は、2004年ごろと比べて10倍以上になっている。01~03年ごろと比べると、実に30倍近くだ。近視眼的・あぶく銭的評価だけで、かくも長期間にわたって株価が上昇するものだろうか。
これは、アップルの製品は革新的なものであり、全世界の人々がその価値を評価していると、素直に見るべきではないか。
そしてソニーの株価は、00年ごろには1万4000円程度だったが、01年には4000円台にまで下がった(「ソニーショック」と言われた現象が生じたのは、03年の春のことである)。07年には7000円程度に回復したものの、経済危機で1000円台まで落ち、最近では1500円程度だ。つまり、00年ごろに比べると、約9分の1になっている。これは、ソニーが革新的な製品を生み出せず、テレビでもPCでも価格引き下げ競争から脱却できずに体力を消耗しつつあることを示していると、見るべきではないだろうか。