そう考えると、『不適切にもほどがある!』も、先の第8回に象徴されるように、令和という時代の行き過ぎた圧力に押される「弱者」を描いたドラマだったといえる。
「本当にあること」を描く
宮藤官九郎自身は、こう語っている(WEBザテレビジョン/6月26日)。
――(社会問題をコメディーにするにあたって、気をつけていることはありますか?)それはでもしょうがないですよね。今そういう意見を怖がっていたら、「何にもできなくなっちゃうんだろうな」って思いますから。本当にあることをただ「本当にあるんだよ」って言いたいだけなんですけどね。
そう、期待するのは、「本当にあること」の中で立ち込める弱者の人間臭さを、いきいきと、ぬけぬけと描くドラマだ。結果的に3カ月後、テレビ界、ひいてはカルチャー界が、さらに開き直って、さらに風穴が大きくなっているような――。
そんなドラマの舞台として、新宿歌舞伎町は、最高に不適切……いや、適切だ。
とりあえず『新宿野戦病院』スタッフは、まず世間の声を気にしないことから始めればいい。だってあれこれ騒ぐ連中は、ドラマの視聴者じゃない、実はちっとも見ちゃいないのだから。
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