ハンドルのコラムから出ているパドルを使って減速させることも可能で、意外なほど使い勝手がよい。
速度にもよるけれど、アクセルペダルから足を離すことなく、カーブの手前で右のパドルを引いて減速、出口が見えたら左のパドルで加速モードへ、というBEVならではの操縦性で楽チンだ。
「新型マカンは、後輪操舵システムをそなえているし、ダッシュがが鋭い。クイックなドライブ感覚が、セリングポイントです。しかし、Q6 e-tronで私たちが追求した方向性は、それとは違います。求めたのは、より高い快適性で、SQ6 e-tronについても同様です。スポーティなモデルを志向する方は、この先に登場するRSQ6 e-tronを待っていただくのがいいと思います」
レーダー氏はそう説明する。たしかに静粛性が高く、ボディを風がたたく音も、タイヤと地面がこすれる音も、ほとんど意識されない。
路面の状態にかかわらず、凹凸はていねいに吸収される。気がつくと思っていた以上の速度が出る危険性を秘めている。それほどナチュラルなのだ。
高速走行が多い人なら、SQ6 e-tronを選ぶといいかもしれない。ドライブモードでスポーツモードを選ぶと、アクセルペダルを軽く踏んだだけでめざましい加速をみせる。そして、ハンドルを切ったときの車体の動きが俊敏で、操縦安定性が高く感じられる。
新たなデザインの特徴
私がもうひとつ気に入ったのは、ボディデザインだ。これからのアウディのデザインテーマを先取りしていて、シングルフレームグリルとアウディが(依然として)呼んでいるフロントグリルの意匠がだいぶ変わって、グッドデザインである。特に白など淡い車体色を選ぶと、グリルの存在感が増して、斬新な印象が強くなる。
キャビンはリアクォーターパネルの傾斜がゆるく、つまり前倒しになり、荷物を運ぶためのクルマでなく、スタイリッシュなイメージが強調される。これも美点だと感じられた。
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