新型アウディ「Q6 e-tron」は何が新しいのか? ポルシェ共通プラットフォームで目指す独自性

✎ 1〜 ✎ 84 ✎ 85 ✎ 86 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「操縦性を高めるため、5リンク式フロントサスペンションのコントロールアームの位置を変更したことをはじめ、ステアリングラックをフロントサブフレームにボルトで固定し、後輪へのトルク配分を重視した新設定のeクワトロシステムを搭載しています」

シャシー開発を担当したアウディ本社のオズウィン・レーダー氏は、そう語る。サスペンションは、今回乗った上級モデルではフルエアサスペンションとなり、金属バネを使うモデルでも、速度域にかかわらず最適な効果を発揮するダンパーを搭載するという。

タイヤは前255/50R20、後285/45R20を前後で異なるサイズを履く(写真:アウディジャパン)
タイヤは前255/50R20、後285/45R20と、前後で異なるサイズを履く(写真:アウディジャパン)

高い期待に応える走りの良さ

Q6 e-tronは、全輪駆動のクワトロと後輪駆動の2本立て。クワトロは最高出力235kWと285kW、2つの仕様がある。後輪駆動は225kWのリアモーター1基の仕様。私が運転したのは285kWのクワトロで、最大トルクはフロントモーターが275Nm、リアモーターが580Nm。

SQ6 e-tronは、最高出力が330kWに上がり(最大トルクは同一)、乗り味はだいぶ異なる。前者がちょっとふわりとした快適志向の味付けを感じさせたのに対して、後者は足まわりが締め上げられていて、スポーティ志向のドライバーを対象にしていることがわかる。

設定の方向性は違うが、どちらもアウディらしさを感じる乗り心地であった(写真:アウディジャパン)
設定の方向性は違うが、どちらもアウディらしさを感じる乗り心地であった(写真:アウディジャパン)

実際、バスク地方の山岳路を行くのに、車体のサイズはときとして意識したものの、持て余すことはなかった。ステアリングが正確で、車体は一瞬の遅れもなく、ハンドルを握る私の意思どおりの軌跡で動いてくれるからだ。もともとアウディへの期待は高かったけれど、それでも余裕あるサイズのSUVとして高得点だ。

電気モーターによる反応のいい加速と、アクセルペダルをゆるめたときに発電装置の摩擦を使って制動をかける回生ブレーキも、このクルマの武器といえる。減速時にいちいちブレーキペダルに踏み換えなくてもよい、いわゆるワンペダルドライビングも、くねくねしたワインディングロードを走っていくとき、ドライバーに楽をさせてくれる。

次ページさらにスポーティなRS Q6 e-tronも先に
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事