スターバックスが「飲み放題」京王プラザの大胆 2000円で堪能する「眺望とコーヒー体験」の価値

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ワークスペース利用される「ライブラリー」はここから一番遠く、また子どもが立ち入れないようになっているため、声などが邪魔になることはない。

京王プラザホテル
ワンフロア丸ごとを使っているので、東西南北の眺望が見渡せるのが特徴。写真はワークスペース利用の「ライブラリー」(編集部撮影)

料金は、平日午前8時〜午後4時半まで2000円(土日祝2500円)、午後5時から10時までは5000円。本館25階以上、南館28階以上の部屋の宿泊客、ホテル会員の宿泊客は無料となっている。

なぜこんな場所ができたのか?

ナイトタイムはともかく、平日昼間、空き時間にちょっと立ち寄って仕事をしたり、時間を潰したりする場所としては利用しやすそうだ。

子連れにとっても、周囲の目や料金が気にならず、居心地がよい点でファミレスやカラオケボックスよりメリットが大きいだろう。

なぜこんな場所ができたのだろうか?

京王プラザホテルによると、このSKY PLAZA IBASHOは「プラザ思想」なるものの産物らしい。

京王プラザホテル
新宿中央公園から見た、開業時の全景(写真:京王プラザホテル)

「プラザとはスペイン語で『広場』の意味。ホテル=宿泊客という概念にとらわれず、さまざまなお客さまが集える場所でありたいという『プラザ思想』は開業時から受け継がれてきたもの」(京王プラザホテル広報担当)。その一例が開業当時のエピソード。

開業の1971年当時は日本一高いビルとして話題になり、展望室は一般客にも有料で開放されたのだという。観光スポットとして、はとバスツアーに組み込まれるほどの人気で、開業半年で100万人が訪れた。

その後周囲に超高層ビルが増え、1980年に展望室としての利用はいったん終了。都庁ができた1991年以降、宴会場として利用されるようになり、後にはカラオケルームができた。夜景が楽しめるカラオケルームは年配の客や外国人に人気だったものの、コロナ禍で再びクローズしていたという。

京王プラザホテル
オープンした当初は新宿の名所として多くの人が訪れた(写真:京王プラザホテル)

そしてコロナ禍が終わって再び、プラザ思想の象徴として新たにオープンしたのが、SKY PLAZA IBASHOだった。コンセプト立案にあたってはホテルや旅行に対する、近年の志向の変化も影響しているという。

コロナ禍で旅行は「不要不急」の扱いを受けた。家の中での楽しみも増えた。感染症が収束して、すぐにアクティブに旅行する人がいる一方で、「行かなくても済んでしまうもの」と考えるようになった人もいるだろう。

ホテルにも、宿泊先としてだけでなく、わざわざ出かけるだけの魅力、価値が求められるようになった。

そこで新たなスポットによって価値をアップし、宿泊客を呼び込もうというのがSKY PLAZA IBASHOの狙いなのだ。午前8時から開放しているので、ホテルのチェックイン前に休んでもらうこともできる。

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