映画館にシニア呼び戻す「ベルモンド作品」の魅力 仕掛け人の江戸木純氏が語った企画の経緯

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――ベルモンド作品も、倉田さんの『帰って来たドラゴン』も、観ていて映画の楽しさを思い出させてくれる映画だなと思ったのですが。

そういう昔の熱気を今の時代にもう一度取り戻せないかという気持ちはありますし、と同時に、昔できなかったことを実現したいということもあって。

ドラゴンブームで埋もれてしまった

例えばベルモンドの『おかしなおかしな大冒険』は50年前に公開されているんですが、1974年になぜこの映画が当たらなかったのか。その背景には実はドラゴンブームがあるんです。『おかしなおかしな大冒険』は1974年の6月公開なんですが、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』が1973年の12月公開なんです。

しかもその前は『エクソシスト』でオカルトブームがあって。その後にドラゴンブームが来て、その年の後半にパニック映画ブームが来るわけです。

そういう殺伐として強烈な映画がどんどん公開される中で、こうした陽気でナンセンスな映画は埋もれてしまったんですね。

そういう意味で、そうした時代背景を全部とっぱらった今だからこそ、『おかしなおかしな大冒険』と『帰って来たドラゴン』が続けて新宿武蔵野館でかかるということに意味があるんだと思っています。

後編は6月29日に公開予定です
壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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