映画館にシニア呼び戻す「ベルモンド作品」の魅力 仕掛け人の江戸木純氏が語った企画の経緯

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フィルム自体はボロボロになっているので、元素材はビデオなんです。だから完全な素材ではないんですけど、今まで日本でVHSやDVDで出ていたものより10分ぐらい長い完全版になります。

ただ追加シーンはアクションじゃなくて、香港映画ファンなら知る人ぞ知るディーン・セキっていう人のコメディシーンがほぼ10分。それでもないよりあったほうがいいんで。

フィルムからつくったきれいな映像というわけにはいかないですが、2Kリマスターというのは間違いない。伝説的な人気作なんですけど、上映素材がなかったので、これを久々にスクリーンで上映するというのはすごく意義があるし、それと同時に、新作の短編『夢物語』『夢物語2』を同時上映するというのがまた大きな意味がある。

帰って来たドラゴン 夢物語
『帰って来たドラゴン』と同時上映される新作短編『夢物語』。現在78歳の“アクションレジェンド”倉田保昭の円熟のアクションが堪能できる©倉田プロモーション

50年前の倉田アクションの最高峰と、50年後の最新進化系、円熟のアクション。それを2024年の映画館で、同時に観ることができるというのは、ものすごく映画史的にも重要なイベントになると思います。

ジャッキーをブレイクさせたウー・シーユエン

――それが実現したのも倉田さんの人柄ですね。

この映画はウー・シーユエンがショウ・ブラザーズを独立したときに、倉田さんと組みたいということで一緒にやった作品なんです。ウー・シーユエンってスターを見る目がある人で。

ジャッキー・チェンを『酔拳』や『蛇拳』でブレイクさせたのもウー・シーユエンだし、その後ジャン=クロード・ヴァン・ダムを『シンデレラ・ボーイ』で起用したのも、ツイ・ハークのデビュー作と2作目をプロデュースしのもウー・シーユエン。

香港でウー・シーユエンといったら雲の上の人。香港映画監督協会の会長をずっとやっていて、今も名誉会長で。香港で映画をつくっている人たちの中のトップ中のトップなんですよ。

今、上映のためにいろんな人からコメントをもらっているところなのですが、倉田さんは海外の人たちとの関係がいまだに続いているんですよね。

サモ・ハン・キンポーとは毎日電話で話してるなんて言ってましたけど。ツイ・ハークとか、ジョン・ウーとか、みんな仲がいいんですよね。要するに向こうですごく尊敬されている存在なんです。

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