今も要注意「熱中症に扇風機が危険」という"衝撃" 高齢者こそ積極的に「クーラー」を使うべき理由
まずやるべきは、猛暑の日中の屋外作業を避けることだ。この点については議論の余地がないだろう。
暑さの回避以外に、アメリカ家庭医学会(AAFP)が推奨する熱中症対策は、「十分な水分を摂ること」と、「熱がこもりにくい、ゆったりとした軽い服を着用すること」、そして「運動レベルの監視」だ。
前者の2つはいうまでもないだろう。
日本医師会は、熱中症を予防するため、1日2リットルの水分を補給することを推奨している。
カフェインを含まないものが望ましく、発汗が多い際には塩分の補充も重要だ。厚労省は、労作時(体を動かしているとき)には、0.1~0.2%の食塩水、あるいはスポーツドリンクを20~30分ごとにコップ1杯飲むように勧めている。
衣服については、吸水性と通気性が大切だ。綿・麻・ポリエステルなどの素材が好ましいとされている。詳しくは、衣料品店のスタッフにお聞きいただきたい。
3つめは、あまり聞き慣れないだろうが、夏場の暑い盛りに運動するのなら、少なくとも3~4日間は環境に慣れるように準備し、ゆっくりと負荷を増やすべきという意味だ。
運動部の夏合宿などで、最初からハードな練習をした場合に、熱中症に陥りやすい。指導者は、この可能性を認識すべきである。
高齢者は「暑さ」を感じにくい?
このような対策に加えて、日本の夏に必須なのはクーラーの使用だ。設定温度は個人差があるだろうが、28℃以下が望ましい。
ところが、高齢者の中には、クーラーを嫌う人が少なくない。
やや古いが、みずほ情報総研が2014年に実施した東京電力管内に住むおよそ960人を対象とした調査によると、エアコンを使わない人の割合は20代が18%、30~50代が30%前後であるのに対し、60代で35%、70代では39%だった。
節電意識に加え、加齢とともに体温調整機能や温度を感じる機能が低下するため高温になっても気づかず、加えて エアコンをかけっぱなしにすると体が冷え切って、不快感を抱くからと考えられている。
少なからぬ高齢者はクーラーを使わず、扇風機に頼るが、その扇風機は決して安全とはいえない、ということがわかった。
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