ROEだけじゃない、気候変動も大きなテーマ

OECD玉木事務次長に聞く

――日本のコーポレートガバナンス・コードをどう評価していますか。

一つは、昨年2月に策定されたスチュワードシップコードと対をなすように、投資家だけでなく、企業の経営陣が株主と定期的に対話するようにと、車の両輪として密接な協議を行うように促している。これはOECDではあまり議論はなく、「なるほど、こういうこともあるのか」と思う。

社外取締役が取締役会できちんと重みのある発言ができるよう、独立社外取締役同士の定期的な情報交換を行うという点も、われわれはきちんと書いていなかった。社外取締役が一人でできることには限度があるし、他の社外取締役がどんな情報を持ち、どういうものの見方をしているか。社外取締役同士の意見交換は非常に影響力を持つだろう。

独立社外取締役の重い責任

――社外取締役の数は外形的には整いましたが、これからその質が問われます。

それはその通り。まず、数についていえば、過半数のほうがよいと決める国もあり、複数の社外取締役がいること自体、驚くべきことではない。(社外取締役の数は)いわばその国のカルチャーを反映している。

実は、独立社外取締役の任務もなかなか大変だ。たとえば、2008年にインドで起こった事件がある。サティアムという会社が関連会社と取引をした際、同社の独立社外取締役が十分なデュー・ディリジェンスを展開せず、反対票を投じなかった結果、外部のアナリストがそのことを指摘し、株価が急落するという事件があった。

そのことが理由で、翌2009年にインド国内の社外取締役が620人も辞任した。取締役会できちんと職務を果たさなかったことによる責任が発生したこと、さらに、そういうスキャンダルにうまく対応できないというレピュテーション(評判)へのダメージ。この2つがあって、多くの社外取締役が辞めてしまった。

これから独立社外取締役がうまくいくところもあれば、前と変わらない、というところも出てくるだろう。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。