沖縄の異端児がロボティクス革命に挑む 搭乗型可変ロボットスーツで世界を変える!

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スケルトニクスは、人間のパワーやスピードを拡張するような機能は持っていないが、近未来的なデザインと装着した人間のパワーだけで動かせるという性能はほかにないもので、前述したように、この初号機を装着して動き回る姿を「ニコニコ動画」に投稿したところ、大きな反響を得た。

「もともと僕らはニコ動の技術部のカテゴリーが好きでよく見ていたので、そこに投稿してみんなを驚かせようと話していたんです。最終目標がニコ動への投稿だったので、思い出作りとして最高の形で終えました」

2011年春、阿嘉は東京へ去り、白久と友人は7年生になって、ニコ動の視聴者を沸かせるというと役目を果たしたスケルトニクスは学校の倉庫に収められた。

新型ロボットを作るために事業化

2号機の製造は、東京の企業や町工場のスペースを間借りして行った

本来ならここでプロジェクトは終わるはずだったが、そうはならなかった。

「阿嘉が年末に沖縄に帰って来て、母校に来たんです。それで、スケルトニクスは反応もよかったし、また面白いモノを作りたいよね、と盛り上がりました。その時に考えたのが、エグゾネクスです。重いものを持てるとか、車に変形できるとか、スケルトニクスができなかった技術を詰め込もんだ新しいロボットを作ろうという話になりました」

スケルトニクスは3人が資金を出し合って制作したが、エグゾネクスを本気で作ろうと思えば、一千万円単位の開発資金が必要になる。白久らはその頃、流行り始めていたクラウドファンディングの手法を真似て、校内で「巨大ロボットを作る」という名目で資金提供を呼び掛けてみたが、募金はほとんど集まらず、この試みは失敗。

この時、白久たちはシンプルに考えた。

それなら自分たちで資金を稼ぎ出せばいい。

「スケルトニクスを事業化すれば、その収益でエグゾネクスを作れるんじゃないかと考えたんです。スケルトニクスでどう稼ぐかを考えると、重いものも持てないし、新しい機能を加えるとおカネがかかるので、エンタメに特化した形で事業化することに決めました」

白久は卒業後、高専で専攻していた海中で活動するロボットの研究を続けるために東京大学大学院に入学することが決まっており、2012年の春に上京。同じく東京にいた阿嘉とふたりで、スケルトニクスの事業化とエグゾネクス制作プロジェクトをスタートさせた。

最初に取り掛かったのは、スケルトニクスの2号機の製造だった。初号機は装着に10分かかるのに重すぎて5分しか動けないという課題があったため、事業化するためには軽量化し、機能性を高めた新型が必要だったのだ。

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