リゲインもほぼ消滅「栄養ドリンク」衰退の背景 若者の心を掴んだエナドリとの"決定的な差"

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同様に現在、エナドリのシェア2位を誇るモンスターエナジーもタウリンを抜き、若者が集まりやすい場所での地道なサンプリング、そしてエクストリームスポーツなどのスポンサーとなり、「イケてる」飲み物というイメージを打ち出した。

「『アガる』とか『イケてる』とか、なんだかバカな分析だな」と思うことなかれ。エナドリが上陸するまでの日本で、「疲労回復」するには栄養ドリンクしかなかった。

「モーレツ」とは別の、「クール」なイメージ

その一方で、リゲインの「24時間働けますか?」がわかりやすい例だが、栄養ドリンクは「サラリーマン向け」、もっといえば「おじさん向け」の商品だった。

リゲインのほぼ終売
ドラッグストアでは常温の棚があるため、今も栄養ドリンクは多く売られている。しかし、ドラッグストアでもレジ横やコンビニでは、冷蔵庫のスペースをエナドリと分け合っている(編集部撮影)

そのなかでエナドリは「クラブで飲むとアガるイケてる飲み物」に「疲労回復」を添加させて、それまで日本人が栄養ドリンクに抱いていた「モーレツ」とは別の、「クール」なイメージをエナドリに抱かせたのである。

これが若者に大当たりした結果、「魔剤」というネットミームが生まれるほど、疲労回復のための飲み物としてのイメージが定着した(ただ、メーカーも予測していなかった小中高生までもが常飲するという問題も発生したりしたのだが)。

そして、売れれば、当然陳列される数量も増える。次第にコンビニの清涼飲料コーナーの一角をレッドブルとモンスターエナジーが占めるようになり、そうするとこれまで栄養ドリンクにしか目がいかなかった者も、大量に陳列されているエナドリが気になるようになる。

成分の「効き方」は人によって違うが、飲み比べて「どっちがいいか」を選ばせると、エナドリに軍配が上がるのは必然である。というのも、栄養ドリンクは医薬品や医薬部外品のため、薬のような味がして、「おいしい」とはいえない。それが、エナドリは大枠だとジュースのため、甘くて炭酸もハジけて飲みやすい。

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