子どもへの「よかったね」が呪いに変わる瞬間 「言い換え」してもなぜ子どもは変わらないのか

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(3)よかったね

この言葉は、褒める言葉、承認する魔法の言葉として使われます。心から子どもによかった“気持ち”を伝えたいと思っていると、その言葉は感情とともに伝わっていきます。しかし、本来はうまくいってほしくない気持ちを持ちながら「よかったね!」と言ったとしたら、魔法は消えます。

例えば、子どもがテスト前に勉強せずにゲームばかりやっていて、そのゲームであるステージがクリアしたときに、子どもが「見て、見て、すごいよ、クリアしたよ!」と親に言ってきたときに、親が「よかったね」と言う場合です。明らかに親は「よい」と思っていません。つまり、「よい」という感情がないまま、「よい」という言葉を使っても、その言葉が持つ本来の意味は伝わりません。

魔法の言葉にプラスの感情を乗せる

言葉には言霊があるといわれるように言葉の本来持つ強い力がある一方で、その言葉の意味よりも、その言葉を発している人の感情が伝わってしまうということがあるのです。ですから、親がいくら言葉かけを変えたとしても、そのときの感情が変わっていなければ効果が出ないのは当然なのです。

ということは、「どういう言葉かけをしたらよいか」ではなく、「どのように気持ちを安定させたらいいか」に焦点を当てたほうが本質的だということになります。すると結果として、魔法の言葉にプラスの感情が乗ることで、効果的な言葉かけができるようになります。

そこで、感情をどのようにコントロールするのかという問題になります。その方法はさまざまあり、これまでも書籍や記事でいくつも方法を書いてきましたが、その中でも代表的な次の方法についてお伝えします(過去記事:わが子への期待を「極限まで下げるべき」納得理由)。

「感情は考え方によって左右するため、考え方を変えてしまう」

考え方を変えることで感情を安定させる方法です。通常、イライラ感情は、親の思い通りにいっていないときに起こります。つまり、これくらいはやってほしいというある種の期待をしているわけです。その期待を下げていきます。つまり、最も低い状態の期待とは、「この子は元気で日々生活できているだけで感謝」という状態です。それ以上の出来事はすべてラッキーなことであると考えます。子どもが生まれたときの写真を見て、そのときの感情に戻ってみる方法もあります。

要するに、「もっともっと」「これくらいはやって当然」という状態を手放してしまうということです。すると、イライラ感情が減少し、安定していきます。すると、そのときに発する言葉に安定した感情が乗って伝わっていきます。どのような言葉を使うかを意識するよりも、自分の感情を安定することに焦点を当ててみてください。すると自然と子どもに親の心が伝わっていきます。

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石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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