なでしこは2016年、見捨てられる危険がある セルジオ越後に聞く「日本サッカーの問題点」

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もし今回、なでしこが早期敗退してしまったら、女子サッカーの火が消えてしまうことになる。ただでさえ優勝から4年経ち、下火になりつつある状態だったわけですから。だから、とにかく次につなげてほしいと僕は思っていました。そうした期待と、彼女たちの実力を考えたとき、3位になれば成功だろうと思ったわけです。

――今回の準優勝が意味するもの、もたらすものとは?

まず、アメリカと力の差がはっきりと表れたスコアで敗れたことを喜ぶべきでしょう。がっかりする必要はありません。何が足りなかったのかを分析し、もう一度、強いチームを作り直すきっかけを得たと考えればいいんです。完敗には意味があります。

アメリカ戦の敗戦を、新たなスタートにせよ

その点では、この敗戦はなでしこにとって節目になるかもしれません。おそらく、何人かの選手がなでしこから去るだろうし、今後は監督が変わる可能性もある。

いずれにせよ、2016年のリオデジャナイロ・オリンピックや4年後の2019年のフランス・ワールドカップを目指し、新たなスタートを切ることになるはずだし、そうしなければなりません。

佐々木則夫監督は2008年に就任して以来、長期にわたって指揮をとり、チームを強化してきました。その間、なでしこは4年前のワールドカップで初優勝し、3年前の2012年のロンドン・オリンピックで銀メダルを獲得しました。

ですが、それによるマイナス面もあった。女子サッカーの未来を背負わされ、優勝をなかば義務づけられたことで思い切った世代交代が敢行されず、4年前とほぼ変わらない不動のメンバーで今大会に臨むことになりました。

アメリカはアビー・ワンバックの後継者としてカーリー・ロイドがエースとしての責任を果たし、アレックス・モーガンも控えていますが、日本は澤穂希、宮間あやに続く選手が出てきていない。

でも、これは代表チームだけの問題ではありません。日本とアメリカとでは女子サッカー人口、歴史、文化がまるで違いますから。だから、この準優勝は、日本サッカー協会への“宿題”と言えるんじゃないですか。

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