なでしこは2016年、見捨てられる危険がある セルジオ越後に聞く「日本サッカーの問題点」

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その証拠に、アメリカは2点目を奪われた直後、ギアを再びトップに入れ直し、すぐにゴールを奪って、なでしこを突き放した。これで勝敗が決し、最終スコアは2-5。言い訳のしようのない大敗で、技術面、精神面、体格、ゲームプラン、日本の裏をかく頭脳的なプレー……。すべてにおいてアメリカとは差があったように感じました。

前回の優勝と今回の準優勝では、何が違うのか

――よくやったというのは?

そもそも優勝した4年前のドイツ・ワールドカップでも、ドイツとの準々決勝は延長戦までもつれ、アメリカとの決勝もPK戦での決着でした。冷静に分析すれば、実力はアメリカやドイツのほうが上で、なでしこの優勝はいわば“大関”が優勝したようなもの。決して“横綱相撲”で優勝したわけではありませんでした。

今大会も、前回王者とはいえ、優勝候補の筆頭というわけではなかった。決勝までのスコアがすべて1点差だったことからもわかるように、接戦に次ぐ接戦を制して勝ち上がってきた。たしかに、FIFAランク1位から3位のアメリカ、ドイツ、フランスが反対側の山に入り、組み合わせに恵まれた面もあるにせよ、その健闘は讃えたいと思います。

――もともとセルジオさんは大会前、3位になれば成功だとおっしゃっていました。

そうなんです。前回大会では準々決勝でドイツを破るまで、彼女たちは日本でまったく注目されていませんでした。だけど今回は、前回王者ということで、かなりの注目と期待を集めて大会に臨んだ。

連覇を期待されるプレッシャー、ライバルからの徹底マークによって前回王者が早期敗退に追いやられるのは、男子でも起こり得ることです。2002年の日韓ワールドカップではフランスが、昨年夏のブラジル・ワールドカップではスペインがそうでしたよね。

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