保護司殺人に「あり得ない」25年活動した女性の声 担い手不足の現実と「信じてあげる役割」の尊さ

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生活態度を改めるよう指摘したところ、少年は納得せず、口答えをした挙句に保護司をじっと睨みつけ、今にも殴りかかりそうな雰囲気になったという。

総務省が2019年に公開したアンケート調査によると、一人で面接することに対する不安や負担について、なんらかの不安を感じていると答えた人は26.1%だった。

一方、感じていないという回答は「あまり」「ほとんど」を合わせて71.1%にのぼった。

Aさんは「自分は怖いと思ったことはない」と話す。

「過去に色々あった人たちだけど、人として対等に向き合うように意識すると、不安はそこまで感じません」

Aさんに限らず、不安に思っていない保護司は多いようだ。

対象者と面会する場所について、何かが起きた時にも安全な、公民館などの公共施設があるにもかかわらず、73.4%の保護司が自宅と答えていた。Aさんももっぱら自宅だった。

辛いのは再犯の報

大変なこともある。もっとも辛いのは少年たちの再犯だ。警察から夜中に呼び出されることもしばしばある。

暴走族に所属する保護観察中の少年が暴力事件を起こした。アルバイトに精を出し更生の兆しが見て取れてきた矢先だった。しかしこれまでに何度も暴力事件を起こしており、少年は少年院送致を覚悟していたという。

審判の日。家庭裁判所に呼ばれていなかったが、Aさんは「どうしても陳述したいことがある」と駆け付けた。

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