ミセス炎上「コロンブス」が持ち込んだ酷い病気 先住民「数十万人が2000人に激減した島」の悲惨
恐怖の「コロンブス交換」
14世紀半ばの黒死病は、その後17世紀までヨーロッパで、さらには19世紀になっても中東で周期的に流行したこともあり、歴史に残る大流行病として最も有名だ。しかし、猛威を振るった疫病はこれだけではない。ペストがヨーロッパでようやく終息の兆しを見せはじめたころ、スペイン人が大西洋を渡って、同じように威力があり、間違いなくより悲惨な一連の流行病を新世界に持ち込んだ。
最終氷河期末期に海水面の上昇によってアラスカとシベリアを結ぶベーリング陸橋が遮断されて以来、人口、そして病気の環境は、新世界と旧世界で別々に進化した。アメリカ大陸の住民とくらべ、アフリカ大陸とユーラシア大陸の住民は、病原菌に感染したより多様な動物との接触のせいで、天然痘、はしか、インフルエンザ、ペスト、マラリア、黄熱病、チフスなど、しばしば死に至る感染症にかかることが増えた。
中世末期には、商業上の交渉、その後の軍事上の交渉を通じ、それまであくまで局地的だった病気の供給源が次第に統合され、多くの致死的な病気が風土病となった。対照的に、アメリカ先住民をとりまく病気の環境はさほど深刻ではなく、かつてはこうした旧世界の厄災に苦しめられることはなかった。
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