何km走り続けるのか「長距離無停車」特急トップ5 新幹線・JR在来線・私鉄有料特急、意外な列車も

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新幹線が長距離を高速で結んでいることがよくわかる。だが、ノンストップの距離は長いものの、スピードが速いだけに昔の特急のように何時間も停車しない、というわけではない。

新幹線長距離無停車トップ5

では、在来線はどうか。いまや貴重な夜行列車、特急「サンライズ瀬戸・出雲」は長時間停車駅がない。下り列車の場合は浜松を1時12分に発車したのち、5時25分着の姫路まで355.2km、4時間13分にわたりノンストップである。これは「のぞみ」新横浜―名古屋間よりも長く、時間も長い。

とはいえ、実際には運転士交代などで停車はしており、あくまで「ドアが開かず客の乗り降りができない」ということになる。ちなみに上り「サンライズ瀬戸・出雲」は、大阪を0時33分に発車すると、次の停車駅は4時38分着の静岡だ。こちらは距離にして376.2km、4時間7分となる。

昼行特急ではここまで長区間無停車の列車はない。以前は特急「サンダーバード」に京都―福井間148.1kmをノンストップで走る列車があったが、北陸新幹線の敦賀延伸で姿を消した。

JR特急をしのぐ「ノンストップ私鉄特急」

現在の昼行在来線特急で最も無停車区間が長いのは、常磐線の特急「ひたち」上野―水戸間124.7km。ひたちはこの区間を基本的にノンストップで走り、所要時間は1時間5~16分程度だ。同線には近距離特急として「ときわ」があり、こまめに停車する役割はこちらに任せているといえる。

ひたちに次ぐのは根室本線の特急「おおぞら」だ。一部の列車は池田―釧路間104.1kmを無停車で走るほか、南千歳―トマム間98.6kmがノンストップの列車もある。中央本線特急「あずさ」も意外に長く、多くの列車は八王子―甲府間を無停車で運行する。もっとも、距離は86.7km、所要時間も57分前後だ。無停車区間が100kmを超える特急は、現在の在来線には少ない。

JR在来線特急長距離無停車トップ5

一方で、JR特急よりも運行区間が短いイメージのある私鉄特急は意外に健闘している。とくに近鉄はJR昼行特急以上の長距離無停車特急を運行している。大阪難波と賢島を結ぶ「伊勢志摩ライナー」には、鶴橋―伊勢市間無停車の列車がある。この間135.5km、約1時間30分だ。

近鉄 伊勢志摩ライナー
JRの昼行在来線特急よりもノンストップ区間の長い近鉄特急「伊勢志摩ライナー」(写真:HAYABUSA/PIXTA)

近鉄にはかつて、さらに長い名阪間ノンストップの特急があった。鶴橋―近鉄名古屋間の186.6kmを無停車で運行するものだ。その後継である「ひのとり」は三重県の県庁所在地である津に停車するが、鶴橋―津間も120.1kmと長い。所要時間は1時間17分程度である。

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