多忙な人が気づくべき「怠けてはいけない」のウソ 思い込まされている価値観は本当に正しいのか

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「上司の期待を裏切れない」といつも残業を引き受けて長時間労働をしている人。友達やパートナー、家族の相談相手やお世話係として24時間いつでも頼られている人。さまざまな社会問題に関心があっても時間が足りなくて、活動に満足に参加できず罪悪感を持っている人。

こういうタイプの人は、起きている時間すべてをアクティブな活動で埋めようとする。長時間労働のあとにスマートフォンのアプリでスペイン語学習をする、オンライン学習サイトでプログラミング習得を目指す、などだ。

こういう、私のようなタイプの人は、「価値ある人間として認めてほしいなら、やるべきだ」と社会に教え込まれたことを全部やろうとする。責任感をもって仕事を頑張り、社会問題に熱心に取り組み、友人を思いやり、絶えず学び続ける。将来が不安なのだ。

だから、先手を打って準備しておく。自力でコントロールできることは全部制御して、不安を軽減しようとする。そうして自分を追い込んで、頑張りすぎるのだ。

どれだけ頑張っても終わりがない日々

それでいつも疲れ果て、焦りを感じ、全然できていない自分に失望している。いくら業績を上げても、どれだけ頑張っても、もう十分できたと満足できず、片時も心は休まらない。私なんてまだ休んでいい立場じゃないと思い込んでいる。

燃え尽きかけたり、ストレスから体調を崩しそうになったり、何週も睡眠不足が続いても、自分で「もう無理だ」と諦めたら「怠惰」になってしまう。「怠惰」はいつだって悪いことだから避けなくては、と信じ続けている。

この世界観が、私たちの人生を蝕んでいく。

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