超高齢化社会への貢献、日本から発信したい 川上潤・GEヘルスケア・ジャパン社長に聞く
1985年、日本における65歳以上人口は1064万人、約10人に1人にすぎなかった。それが今年は2962万人、約4人に1人となった。今から30年後には、2.7人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という超高齢化社会を迎える。
「日本の高齢化は、高齢者が増えるというだけでなく、それが急速なスピードで進むという特有の問題もある。この30年のうちに医療の提供の仕方も大きく変えていかなければならない」と強調するのは、GEヘルスケア・ジャパンの川上潤社長兼CEOだ。GEヘルスケア・ジャパンは、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(核磁気共鳴画像法)などの医療機器を製造販売する(売上高1363億円、経常利益168億円、2010年12月期)。メーカーとして、日本の高齢者医療にどう貢献できるのか、その戦略を聞いた。
――GEヘルスケアでは、グローバルで「ヘルシーマジネーション」という戦略を掲げています。15年までに60億ドルを投じて、100種類のイノベーションを実施し、15%の医療コスト削減、15%の医療アクセス拡大、15%の医療の質向上を実現するというものですが、あまりにも大きな話なのでいま一つピンときません。
「ヘルシーマジネーション」は、「ビジョン」として共有すべきことを示したものです。ビジョンを「戦略」に落とし込み、戦略をさらに「明日何をすればいいのか」という行動に落とし込まなければ、実現はできない。その結び付きが重要と考えています。
ヘルシーマジネーションを日本という地域に落とし込んだもの、それが高齢化社会に向けた戦略です。世界のどの国も経験したことのない高齢社会をいち早く迎える国として、日本から世界に発信できることは多いと考えています。
――では、その戦略をどう具現化しますか。
これまでは、革新的な技術を開発して「こういう技術を使ってみませんか」という発想で製品を作ってきた。中でも、高性能・小型化、省エネというのは日本の得意とするところ。もちろん、そういう製品のニーズはある。
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