超高齢化社会への貢献、日本から発信したい 川上潤・GEヘルスケア・ジャパン社長に聞く

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――在宅医療のニーズも急速に高まっていますが、ここで貢献できることはありますか。

高齢者の数が増えるに伴って、病院の形も変わらなければなりません。大病院がすべてを担うのではなく、かかりつけ医のレベル向上が必要です。プライマリーケアの医師は、広い領域で正確な診断を行い、自分で治せるものは治し、訪問診療や往診もこなさなければならない。

 日本の在宅医療には、まだテクノロジーが足りないと感じます。介護の世界も同様。テクノロジーが入らないからどうしても労働集約になってしまう。そこに、私たちが技術で貢献できることは多いと考えています。

たとえば、昨年10月に発売した超音波診断装置「Vscan」は、持ち運びが簡単な手のひらサイズ、重さはわずか390グラムです。これまで、聴診器にのみ頼っていた在宅医に新たなツールを提供できました。

ちなみに「Vscan」は、販売のやり方も大きく変えました。広告で露出を高めてウェブとコールセンター経由で販売しています。これまで超音波診断装置を使っていなかった医師にリーチさせなければならないからです。

――いち早く超高齢化を迎える国として具現化した製品やサービスをグローバルに発信するということも考えられますね。

肝がん領域の製品は、日本でトータルのワークフローを作って世界に輸出する予定です。また、昨年4月には、日本で開発・製造したCTを発売しました。患者さんと技師双方に見やすいよう、ガントリ(撮影機構部)上部に12インチのカラーモニターを搭載して、不安を抱える患者さんの気持ちを第一に考えたデザインが特徴的です。

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