「きれいでなくちゃダメ?」働く女性とルッキズム 漫画『ブスなんて言わないで』作者と考える
編集部:その男性がそういうリアクションを取ってしまうのも、社会の構造のせいだということですね。
女性が総理大臣になったら?
トップが変われば、社会が変わる。だから私は、女性が総理大臣になったら、化粧をする女性は減るんじゃないかと思っています。
編集部:なるほど。
すぐに変えられるものではないからこそ、小さなところから行動を起こしていくしかないと思っています。
ただ、そう思う一方で、フェミニズムになかなか関心を持てない人の気持ちもよく分かるんです。
私自身、フェミニズムに何だか怖いイメージがありましたし、20代の頃なんて何も考えずに生きていました。
編集部:フェミニズムに興味を持つようになったきっかけは何だったんですか?
とある:ここ数年、フェミニズムをテーマにした作品が増えてきて、自分もそういうものを描きたいと思ったことです。漫画家でなければ、今も興味はなかったかもしれません。
特にルッキズムに関しては、20代の女性はまさに渦中にいる立場。きれいでいなければならないという波に乗るのに必死だし、その恩恵を受けたい気持ちも否定されるものではありません。
ただ、自分が40歳になって思うのは、「若くてかわいい」に価値を求めすぎると、どんどん年をとるのが怖くなってしまうということ。
人生はおばさんになってからの方がずっと長いから、若いうちにルッキズムやフェミニズムに触れておいた方が生きやすいだろうなと思います。