前述した落書きグラスも韓国から入ってきた流行ですが、2021年4月に東京・新大久保に1号店がオープンした「まもなく釜山駅」という店が、最近人気化しています。
この店は、韓国の電車を模した店内で、サムギョプサルやチーズタッカルビなど約20種類のメニューがバイキング形式で食べられるのですが、この店の一番の特徴は韓国のコンビニ風に陳列してある飲食物も自分が選んで食べることができるという点です(韓国コンビニ風の店内になったのは2024年1月のリニューアルオープン以降)。
韓国の有名なコンビニには「CU」や「GS25」などがありますが、「まもなく釜山駅」ではリアルに再現されているコンビニゾーンから、キンパ(海苔巻き)やインスタントラーメン、バナナウユ(バナナ牛乳)、ビヨット(韓国ヨーグルト)など、韓国のコンビニグルメも満足いくまで食べられるのです。韓国はZ世代に人気の旅行先でもありますが、まるで韓国旅行をしているような気分が味わえるということからも人気が出ている状況です。
Z世代の間でも好きなアイドルやアーティストなどを応援する“推し活”は人気ですが、ミーハーファンのZ世代は、本気のオタクファンの目を気にして、なかなか推し活ができないそうです。そこで、周りの目を気にせずに推し活ができる場所を探しているといいます。
2024年2月、東京・池袋にオープンした「推し活居酒屋◯◯の会」は、全部屋4Kモニター、高音質スピーカー、Blu-rayプレーヤー完備で推し活を堪能するための半個室居酒屋です。この店では推しのライブ映像などを流しながら、人目を気にせず飲食を楽しめるのですが、この店が人気の理由は、取り皿や飲み物、部屋の照明などの色をセレクトできる点です。
取り皿や推し色ドリンクは、赤、ピンク、オレンジ、黄色、緑、青、紫、白、黒など9種類のカラーが揃っているため、自分が推しているメンバーカラーを選ぶことができ、室内のLEDも上下好きな色に設定できるようになっています。同じ趣味を持つ推し活仲間たちと、自分たちのオリジナルの場所を創り上げ、楽しい思い出を共有することで、より一層絆が深まるというわけです。
また、推し活を全面的にサポートするカフェ「推し活専門店オシアド」も人気です。この店は東京・原宿と石川・金沢にあります。この店の人気は「推し茶」で、推しのイメージカラーと香りを具現化したティーソーダが話題です。
専用のオーダーシートに推しのプロフィール、カラー、イメージなどを書き込んで注文すると、上部6種類、下部12種類のカラーから、自分の推しのオリジナルドリンクを作ってくれるといいます。
いろいろな推し活カフェがあるなかで、メンバーカラーなどを自分で選ぶことはあっても、自分でカスタマイズする“パーソナライズ推し活”ができるような店はこれまでなかったため、推し活に力を入れているZ世代には特別感が味わえると注目されています。
このように、Z世代が選ぶ飲食店には、TikTokやInstagramのリールなどSNSでの投稿を前提とした新しいコンセプトの店が続々と登場します。これからも変化し続けていくと思いますので、また新しいトレンドが現れたら、こちらの連載でご紹介していきたいと思います。
(構成:高田晶子)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら