大震災後の国づくりは道州制導入を軸に進めよ

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大震災後の国づくりは道州制導入を軸に進めよ

「東日本大震災を通じて、現在の47都道府県という枠組みでは広域災害に対応できず、復興へ向けた広域経済圏形成の障害にもなりうることが明白となった」と参議院議員の江口克彦氏(みんなの党)は指摘する。

震災後、被災者対応やがれき処理など、復旧作業では主体となる市町村が必ずしも十分に機能できない場面が見られた。また各県と政府・霞が関との連携でも、所管ごとの膨大な個別対応に忙殺され、結果的に震災処理を遅らせてしまった。

江口氏は、「これを契機に、中央集権体制に終止符を打ち、道州制を土台とした新しい国づくりを推し進めなければならない」と強調する。

国会議員の道州制への関心も高まっている。5月には江口氏が共同代表となり、民主、自民、公明、みんなの党の国会議員らによる超党派の「道州制懇話会」が発足した。震災前から準備をしていたが、「当初は100人集まればいいと思っていた。が、震災で問い合わせが激増、現在200人を超える議員の賛同がある」(江口氏)という。

民主党は導入に消極的

道州制は、古くは戦前から議論されてきたテーマだ。しかし、政治課題として浮上したのはここ10年である。

2003年の衆議院選挙で自民党は「道州制導入の検討」を政権公約に掲げた。06年には地方制度調査会が「道州制の具体的な制度設計を検討すべき」との答申を行い、これを受けて安倍内閣では「道州制担当大臣」を新設した。自民党内にも「道州制推進本部」を設け、中間報告を行っている。

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