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政治・経済・投資 #野口悠紀雄の「震災復興とグローバル経済」

(第11回)現状維持の経済政策は未来への責任放棄である

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アメリカの失業率がいまでも高いのを見て、アメリカ経済は活力を失っていると考えている人も少なくない。しかし、以下に述べるように、実態はかなり異なるのである。アメリカ経済と日本経済を比べた場合の大きな違いは、未来に向かって経済全体を牽引できる産業が存在するかどうかだ。アメリカにはそれがあるが、日本にはないのである。

アメリカと同じような産業を日本に興すのは、もちろん簡単なことではない。しかし、アメリカの状況がどうなっているかを見ておくのは重要だ。

アメリカにおける脱工業化の過程

09年におけるアメリカのGDPの産業別構成比は、製造業11・2%、卸売り・小売り11・3%、金融・不動産21・1%、その他のサービス26・6%(うち、専門的サービス12・1%)などとなっている(下図)。

このように、アメリカのGDPの3分の1は、金融・不動産、専門的サービスによって生み出されている。その半面で、製造業は1割程度の比重しか占めていない。つまり、アメリカにおける最重要の産業は金融・保険であって、製造業ではないのだ。製造業の比重は、卸売り・小売りと同程度でしかない。企業利益で見ても、金融が大きな比重を占めている。アメリカは、脱工業化社会を実現しているのである。


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