アマゾンが住宅リフォームで狙う2つの革命

積水ハウス、大和ハウスも乗っかった

それから10年ほど経つが、取り組んでいる事業者はどこも苦労している。ネット専用住宅は、展示場の経費や販売のための人件費などがほぼかからないため実現したものだが、その想定通りにはコトが動かなかったためだ。

大和ハウスリフォームはインスペクション(建物検査)と耐震診断を組み合わせる

住宅は、土地の形状や条件をはじめ様々な制約をクリアして建てられるもの。満足度の高い住まいを得ようとするなら、様々な追加費用が発生し、「25万円」などという価格の実現は難しくなる。

要はここでも建築請負という住宅業界特有の足かせが働いたのである。そもそも事業者にとっては利幅も薄い商品。積水ハウスや大和ハウスなどはこのインターネット住宅販売には参入しなかった。今回、この2社はアマゾンを活用したリフォームビジネスなら、商品販売以外にも販路拡大での可能性があると考え、インターネット販売に足を踏み込んだわけだ。

「ショールーミング化」がリフォーム業界でも?

アマゾンのようなECの隆盛を示す事象として「ショールーミング化」という言葉がある。リアル店舗で見たり試用したりした消費者が、最後にネットで購入してしまう。つまり、リアル店舗がネット業者のショールームに成り下がっていることを指摘するものだ。

特に近年はいつでもどこでもネットにつながるスマートフォンの普及によって、リアル店舗で確認したあと、安価なネットに注文する流れが一般化した。家電業界は顕著な例だ。大手家電量販店の店頭で売られている商品の価格をアマゾンで検索してみると、圧倒的に安いことがある。試しに、アマゾンの価格を提示して値引き交渉してもそこまで金額を引き下げられないことがある。

人件費や地代(賃借料)などのコストがないのだから当然だが、家電量販店で商品だけ見て、結局は価格の安いアマゾンで購入するような客層は、一定程度存在する。こうした動きが住宅リフォームの世界でも起こる可能性があるということだ。戦々恐々としているリアル業者は少なくないだろう。

(撮影:今井 康一)

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