アマゾンが住宅リフォームで狙う2つの革命 積水ハウス、大和ハウスも乗っかった
2社ともに自社(大和ハウスリフォームの場合は大和ハウス工業)が供給した新築住宅向けのリフォームが、これまで事業のメインだったものの、自社物件以外にも販路を拡大しないと持続的な成長は望めない。ただ、リアルな営業にしても自社での新規開拓にはそもそも限界があるうえ、アマゾンユーザーのようにネットでの買い物に慣れた層にリーチするのも難しい。
多少、利幅が薄くてもいったんアマゾン経由で商品・サービスを販売して顧客との関係を築くのが重要で、将来的なリフォーム需要の獲得につなげることもできる。
アマゾンにしてみても、積水ハウスや大和ハウスグループなどと組むメリットは大きい。アマゾンは、実はこれまでに部材や設備など住宅関連商品を取り扱っていたが、大きな成果が出ていなかったようだ。
リフォームビジネスには施工の信頼が不可欠
そこには施工の壁があったと考えられる。価格がいくら安くても、施工には一定レベルの品質と信頼がないとリフォーム商品・サービスは売れない。リフォーム業界は玉石混淆の世界。真面目な施工をする会社がある一方で、質の悪い工事をする事業者、さらにはいわゆる「リフォーム詐欺」に関わる事業者もいるくらいだ。そうであるがゆえ、ネットでリフォーム商品・サービスを売るのは至難の業なのである
要するに今回のネットリフォーム商品の販売は、「一般住宅のリフォーム事業を拡大したい」という大手ハウスメーカーの思惑と、「リフォーム商品の信用力を確保したい」というアマゾンの思惑が一致して生まれたというワケだ。
これまで住宅業界では、ネットを使った販売について懐疑的な意見が強かった。例えば、かつてインターネットが普及を始めたころに、「ネット専用住宅」が登場した。
「1坪(3.3平方メートル)あたり25万円~」などというローコストで、発売当時は大変話題となった。住宅業界の事情をよく知らないメディアは「いよいよ住宅もネットで購入する時代が到来か!?」などと勝手に盛り上がっていた。
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