アマゾンが住宅リフォームで狙う2つの革命 積水ハウス、大和ハウスも乗っかった

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試しにグーグルで「リフォーム」と検索してみると、リフォーム会社の見積もりや費用などが比較できるサイトや、LIXIL、パナソニック、住友不動産など、リフォームを積極的に手掛ける大手企業のサイトが上位に表示される。

比較系のサイトではだいたいの金額はわかり、業者も紹介されるが、ネット上で購入手続きまではできない。また、大手企業のサイトを訪れてみてもそれは同様で、リフォーム商品・サービスやショールーム、施工業者の紹介までにとどまる。

「施工費込み」の定額制が先鋭的

もう一つの革命は「価格」だ。商品自体を低価格で売るのはもちろんながら目を引くのは、「施工費込みの定額制」を導入したこと。たとえば積水ハウスは定価99万9000円のキッチンを、アマゾンのリフォームストアでは工事費込みにして84万3000円で売っている(商品価格は56万9000円)。建物の条件がどうであれ、原則として販売価格は統一されている。

PCやスマホ、あるいはタブレットでリフォームが「買える」

特に「施工費込み」の定額価格は、エディオンやヤマダ電機など一部の業者が積極的に取り組んでいるものの、住宅リフォーム業界全体でみれば、まだ先鋭的な取り組みだ。

施工費はなかなかのくせ者。通常は現場次第、事業者のさじ加減次第で変動するたぐいのものだからだ。もちろん、ユーザーのニーズや建物の状況に応じて難しい工事もあるのかもしれないが、工事業者から提示された施工費が妥当なのかどうか、素人には判断しにくい。結局は工事業者の言い値になりかねない。

建築はそれくらい複雑な世界なのだが、アマゾンのリフォームストアで注文すれば、原則として提示された施工費込みの定額で金額は固定されることになる。ユーザーにとっての利便性やメリットは大きく、価格の透明性がある。

一方、リフォーム商品・サービスを提供する業者、とくに積水ハウスや大和ハウスリフォームの立場になると、定額制の価格はリスクになりうる。リフォームは新築よりも利幅が薄く、顧客ごとに施工条件もさまざまながら、そこを固定化されてしまうからだ。

それでも、積水ハウスや大和ハウスリフォームは今回、アマゾンと手を組んだ。多少のリスクを背負っても得られる果実のほうが大きいと判断したからだろう。

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