「すぐ疲れる」「だるい」と不調な人の意外な盲点 自分でもできる「慢性疲労」を解消する方法
医学の世界では数年前まで慢性疲労症候群が注目されることはあまりありませんでした。ですが、コロナ後遺症が世界中で大きな問題になったことで「慢性疲労」に関する研究が一気に進みました。その成果の1つが疲労感の原因が脳の炎症であることの示唆でした。
迷走神経から脳へ炎症が広がり「慢性疲労」が生じる
この「脳の炎症」を含めた、コロナ後遺症が発症するメカニズムについては、主に以下の原因があるとされています(文献1)。
①ウイルスの持続感染
②腸内の微生物環境の異常
③自己免疫機序の誘導(自分の体の細胞を攻撃する抗体がつくられる)
④微小血栓の形成(細い血管で小さい血栓がつくられる)
⑤迷走神経の異常(炎症)
②腸内の微生物環境の異常
③自己免疫機序の誘導(自分の体の細胞を攻撃する抗体がつくられる)
④微小血栓の形成(細い血管で小さい血栓がつくられる)
⑤迷走神経の異常(炎症)
その中で、私がこれまで多くの患者さんの診療を通して、コロナ後遺症の中心的役割を果たしていると実感するのが、ウイルス感染によって引き起こされる「迷走神経の炎症」です。実際、コロナ後遺症の患者さんでは頸部の迷走神経が炎症のために肥厚していることがエコー検査で確認されています(文献2)。
迷走神経は自律神経のうち副交感神経の約8割を占める、全身に分布する重要な神経です。迷走神経が炎症を起こすと副交感神経と交感神経とのバランスが崩れてしまい、体にさまざまな異常をきたします。
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