中古マンション「戸建てより大幅値上がり」のなぜ 買って損しない「資産性を保つ」絶対条件とは?

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そもそも減価償却は経費計上するための税制上の話であって、実際の資産価値を意味しない。もし、そんな短期間に資産価値が下がるなら、長期優良住宅など存在しないことになる。単に、銀行の評価方式が経済的な価値に対応できていないのだ。しかし、住宅ローンでの借入額が頭打ちになっていては、売買価格は上がるわけはない。

ちなみに、アメリカでは減価償却での経費計上は認められているが、資産価値は別評価になる。イギリスでは地震がほぼないことから、建物が劣化するという考えすらなく、減価償却制度自体がない。日本でもマンションに対する戸建て差別とも取れる方式は非常識だと筆者は考える。

中古マンションに積算価格を適合しにくい理由

不動産における消費税は土地代にはかからず、建物にだけかかる。このため、新築でも中古でも売買するときに建物代は明確になっている。その点では、戸建てもマンションも同じなのだが、マンションは土地に実感がない。10m2相当の土地を持っていると言われても、どの部分かも不明であるし、その土地だけを売ることはできないので、有名無実なのだ。

そして、その土地の査定などは類似事例がなくわからないため、できるはずがないのだ。加えて、マンションは鉄筋コンクリート造なので、耐用年数が47年と長く、1年に2.1%しか下がらない。土地と建物の価格が半分ずつだとしたら物件価格の約1%の下げ圧力にとどまる。

こうなると、中古マンションに積算価格は適合しにくい。結果として、周辺の取引された事例と比較して、価格を決めることになる。これを「比準価格」と言う。こうなると、周辺に高値の新築が出ると、新築とも比較して価格は上がりやすくなる。

この前提に立つとマンション独歩高は不思議ではなくなる。建築費は木造よりも鉄筋コンクリート造のほうが値上がりしている。土地代は戸建て用地とマンション用地の上がり方は比較にならないほど違う。戸建て用地は戸建て以外に利用用途がない。

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