「部下に任せられない」上司がはびこる残念な理由 必ずシワ寄せがきて、会社にもマイナスになる
ただ、怒られないと物事の深刻さがわからない人もいるので、怒らない上司の場合は、部下のほうにも、ある程度は上司とうまくやりたいという気持ちや、仕事に対する向上心などの、素養が必要かもしれません。
そのうえで、「怒れない(叱れない)上司」というのは一番ダメだと言えます。部下が問題を起こしたときに、何も言わなければ、反感をかうことはありませんが、問題は何も改善しません。それによって、何度も同じミスが起こる可能性もあります。再発防止のために、時には恨まれる覚悟で苦言も言うのが上司の仕事です。
怒れない上司の多くは、「部下が辞めてしまうかも」「恨まれるかも」と、パワハラやモラハラに発展することを恐れています。しかし、保身に走って部下を育てることができないなら、それは上司としての職務を放棄しているようなものです。「怒れない上司」は、失敗に対して「怒る上司」よりも、無責任な上司だと言えます。
時には割り切ることも大事
厳しい言い方をすれば、会社というのは仕事をする場所です。
ハラスメントはあってはなりませんが、上司の仕事は部下を育てて業績を上げることで、すべての部下から好かれることではありません。正しく叱っても甘やかしても、やる気のない部下や、上司に不満を感じる部下は一定数います。「怒ってはいけない、叱ってはいけない」と、気にしすぎないよう、時には割り切ることも大事です。
そんなわけで、「怒る上司」は「怒る」だけではなく、正しく「叱る」ことができているか、「怒らない上司」は、怒らずとも部下を指導できる能力に長けているか、「怒れない上司」は、もう一度職務を振り返ってみてもよいのかもしれません。
実際にどんな上司が正解かは、配属された部下の性格や性質によるところもあります。上司にいろいろなタイプがいるように、怒られたことをバネに頑張れる部下や、ほめられて伸びるタイプの部下もいます。部下をよく観察して、その部下に合った接し方ができたら、それが一番理想的なのかもしれません。
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