1~3月期の業績をセグメント別に見ると、稼ぎ頭のオンラインゲームを中心とする「付加価値サービス」の売上高は前年同期比0.9%減の786億元(約1兆6942億円)にとどまった。そのうち、オンラインゲームの中国国内の売上高は同2%減の345億元(約7436億円)、海外売上高は同3%増の136億元(約2931億円)だった。
オンラインゲームの伸び悩みとは対照的に、顕著な増収を達成したのがオンライン広告事業だ。動画投稿サービス、検索サービス、ミニプログラムなどへの広告出稿の好調を受け、1~3月期のオンライン広告事業の売上高は265億元(約5712億円)と前年同期比26%増加した。
テンセントによれば、自動車を除くすべての主要業種が広告費の支出を増やしており、中でもゲーム、ネットサービス、消費財関連の伸びが目立つという。
AIツールで広告制作を容易に
広告収入の増加に大きく貢献したとみられるのが、テンセントが独自開発した生成AI(人工知能)「混元(フンユエン)」を組み込んだ広告制作用のクリエイティブツールだ。同社はすでにこのツールをすべての広告主に提供している。
テンセントのCSO(最高戦略責任者)を務めるジェームズ・ミッチェル氏は、生成AIの利点について決算説明会で次のように述べた。
「わが社のようなソーシャルメディア企業にとって、AI広告ツールは極めて有用だ。以前は検索連動型の広告しか作れなかった顧客が、(生成AIを活用して)ソーシャルメディアに最適化した画像広告や動画広告を(容易に)作れるからだ」
(財新記者:関聡)
※原文の配信は5月14日
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