
中国のネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)が、AI(人工知能)のフル活用をテコに成長を加速させている。
同社が8月13日に発表した2025年4~6月期決算では、売上高が1845億元(約3兆8028億円)と前年同期比15%増加し、アナリストの事前予想の平均値を上回った。また、投資損益の影響を除いた非国際会計基準(非IFRS)の純利益は630億5200万元(約1兆2996億円)と前年同期比10%増加した。
4~6月期の売上高の伸び率は過去1年間(の四半期ベース)で最高を記録。純利益の伸び率も直前の1~3月期を上回った。その原動力についてテンセントは、コンテンツ、オンライン広告、法人向けサービス(の3大事業分野)における全面的なAI投資の成果を強調した。
ゲーム事業支えるAIツール
事業セグメント別の業績を見ると、4~6月期はオンラインゲームを核にした「付加価値サービス」セグメントが総売上高の49.5%に当たる914億元(約1兆8839億円)を稼ぎ出した。同セグメントの成長率は前年同期比16%と、総売上高の成長率を上回ったことは注目に値する。
テンセントの説明によれば、AIツールを駆使したコンテンツの制作が、ゲーム事業の成長を押し上げている。具体的には、AIを使って(対戦型ゲーム向けに)よりリアルな仮想チームメイトやノンプレイヤー・キャラクターが生成できるようになったほか、新規プレイヤーの獲得やリピート率の向上にAI駆動型のマーケティングが成果を上げているという。
同社はさらに、自社開発の生成AI「混元(フンユアン) 3D」のゲーム開発における有用性について言及し、「デジタル・コンテンツの生成に混元3Dを活用する開発者がどんどん増えている」と述べた。
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