中国テンセント、「AIフル活用」で成長ペース加速 4~6月期の売上高15%増、調整後純利益10%増

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テンセントのさまざまなサービスの入り口となるスーパーアプリ「微信(ウィーチャット)」は、2025年6月末時点の月間アクティブユーザー数が国内版と海外版の合計で14億1100万人に達し、前年同期比3%増加した。

微信のAI機能は絶えず拡張され続けている。4~6月期はコンテンツ閲覧時のスマート・キーワード検索、ネット通販プラットフォームの微信小店(ウィーチャットストア)の加盟店に対するAI顧客応答サービスの提供、動画投稿サービス「微信視頻号(ウィーチャットチャンネル)」のコンテンツの自動テキスト要約などの新機能が追加された。

AIのフル活用により、コンテンツ、オンライン広告、法人向けサービスの3大事業の成長がそろって加速している。写真は広東省深圳市のテンセント本社(同社ウェブサイトより)

AIのフル活用と微信を通じた(コンテンツなどの)取引増加は、テンセントのネットサービスに対する広告主の出稿意欲を刺激している。同社の「オンライン広告」セグメントの売上高は、4~6月期は358億元(約7379億円)と前年同期比20%の大幅増収を達成した。

広告の費用対効果を改善

テンセントによれば、広告コンテンツの制作、配信、レコメンド、効果分析などの各段階でAIの活用が広がり、広告のクリック率やコンバージョン率(訳注:広告をクリックしたユーザーのうち、商品購入などの行動につながった割合)が向上。それにより広告主の費用対効果がアップし、広告出稿の増加につながったという。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

クラウドなどの法人向けサービス事業もAIの恩恵を受けている。4~6月期の「フィンテックおよび法人向けサービス」セグメントの売上高は555億元(約1兆1439億円)と前年同期比10%増加し、成長率が直前の1~3月期(5%増)より5ポイント上昇した。

成長加速の原動力は法人顧客によるAI関連サービスの需要の高まりだ。具体的にはAIサーバーのレンタル、(テンセントが提供するAI機能を顧客のシステムから呼び出して使える)APIサービス、技術サポートなどの売り上げが伸びている。

(財新記者:関聡)
※原文の配信は8月13日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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