薬代は年間300万、アルツハイマー「新薬」の値打ち 発売から半年、薬が使えるのは患者の「2割弱」

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レカネマブは、日本の製薬会社エーザイと、アメリカの製薬会社バイオジェンが共同開発した薬で、アルツハイマー病の原因とされる物質を除去することで、進行を遅らせる。

その効果については、「1年半の投与で半年、3年の投与で1年ほど進行を遅らせる程度の効果が見込まれています」と岩田さん。

2023年12月から使われ始めたレカネマブ(レケンビ)。アルツハイマー病になる前の軽度認知障害(MCI)の段階から使用できる(写真:エーザイ株式会社提供)

脳に蓄積するタンパク質を除去

アルツハイマー病は、認知症の中でもっとも多く、約半数以上を占める。原因は、アミロイドβという体内で作られるタンパク質だ。

健康な人の脳にも溜まるものだが、通常は分解、排出されていく。だが、これが何らかの理由で排出されないと、どんどん脳内に溜まり、脳の神経細胞にダメージを与えていく。

同時に、脳内に存在するタウというタンパク質が異常化して、記憶をつかさどる海馬の神経にダメージを与える。アミロイドβがタウに何らかの影響を与えていることはわかっているが、その詳しいメカニズムは現段階では明らかになっていない。

「アルツハイマー病では、実際に認知症の症状が表れる10年以上も前から、脳内にこのアミロイドβが少しずつ蓄積していることがわかっています。レカネマブはこれを除去することで、アルツハイマー病の進行を抑えます」(岩田さん)

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