イスラエルで「ネタニヤフ批判」が沸騰する真因 ガザ戦争、首相の無計画に怒るイスラエル軍

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ラーマンは最近、ウィルソン・センターのほかの学者と共同で、アメリカやエジプトなどが主導する多国籍機関によってガザの管理と治安維持を行う案を提示した。この案は、イスラエル当局とも共有されている。

スラエルが占領するヨルダン川西岸地区の一部を統治しているパレスチナ自治政府を強化する提案も行われているが、イスラエル政府は、パレスチナ自治政府は有能で信頼できるパートナーではないとして、この案も拒否している。

アメリカ政府高官は11日から13日にかけて、外交によって解決しない限り、イスラエルはアメリカがイラクやアフガニスタンで経験したような何年も続く血みどろの消耗戦に直面することになる、という主張を繰り返した。

独りよがりの無計画でイスラエルは泥沼に

イスラエルの元高官たちは、ガザでの地上攻撃が始まる前から戦後計画の欠如について警告を発していた。約1200人が死亡し、イスラエルの軍事攻撃の引き金となったハマスの奇襲から1週間後の10月14日の時点で、元外相のツィピ・リヴニは政府に対し、ガザの戦後の将来を考えるよう呼びかけていた。

「そうしなければ、不必要にガザから抜け出せなくなり、大きな代償を払うことになる」と、当時リヴニは述べていた。

14日のインタビューで、リヴニはまさにそれが起こったと話した。

「早くに決めて、アメリカ、パレスチナ自治政府、エジプト、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビアともっと早くから協力していたら、物事はもっと簡単だっただろう」

(執筆:Damien Cave記者、Adam Rasgon記者)

(C)2024 The New York Times

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