イスラエルで「ネタニヤフ批判」が沸騰する真因 ガザ戦争、首相の無計画に怒るイスラエル軍

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ネタニヤフは、ハマスを壊滅しない限りガザの文民統治など不可能だと主張し、戦闘終結を求める声にあらがっている。13日のポッドキャスト・インタビューでネタニヤフは、ガザにはまず「イスラエルによる持続的な非武装化」が必要だと語った。

「ハマスが壊滅したか、壊滅しようとしていることがわかるまでは、誰もガザに入ろうとしない」というのが、その理由だとしている。

だが、イスラエルがそのような広範な目標を達成できるか疑問視するアナリストや政府関係者は増えている。軍の一部からの一段と声高な批判は、ネタニヤフ政権との溝が徐々に広がっていることの表れだ。

軍関係者は、ホワイトハウスや他国と並んで、戦後戦略の欠如について何カ月と内々に不満を漏らしてきたが、掃討作戦の規模が目立つようになるにつれて、不和のボリュームは対内的にも対外的にも大きくなっている。

保身のために戦争を続けるネタニヤフ

イスラエルの戦略家たちは、戦争の終盤には小規模な抵抗勢力を根絶やしにするためガザの一部地域に戻ることになる展開をずっと想定してきたが、今ではその難易度が必要以上に上がってきているという感覚が強まっている。

取材に応じたイスラエル政府高官2人は、ハマスに代わって人々の基本的なニーズを満たしたり通常の生活に戻る希望を与えたりする統治者がいなければ、ハマスは容易に古巣に戻ったり新たな拠点を作ったりできるため、イスラエル軍にとって戦いはより困難なものになる、と述べた。

ネタニヤフの政治的思惑には、アメリカの反対を押し切ってガザへの全面攻撃を行うことを要求し、アラブ諸国がガザ支援の前提条件として求めているパレスチナ国家への道筋を受け入れようとしない極右政党との連立を維持し、政権を持ちこたえさせることが含まれる。

ネタニヤフがそうした要求から大きく外れる姿勢を見せれば、連立パートナーは政権を転覆させると脅しており、そうなればネタニヤフは首相としての権限を失い、一連の汚職疑惑に直面する可能性がある。

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