「定年退職後」にやってくるお金の危機"3つの波" めでたいはずの「長寿」をリスクにしないために
メインの収入源が、企業年金も含めた公的年金だけというのは、これ以上、手持ちのお金が増える見込みがないということです。
つまり退職後は、ある程度まとまった資産を持っているはずなのに、気持ち的に「プチ貧乏」に陥り、過剰に家計を締めつけてしまう人がいます。そうならず、お金にストレスフリーな人生後半を送るために、どう考えるのが正解なのでしょう。
私がおすすめするのは、年金生活者世帯の資産を、次の3つに分けてこの先10年を考える「老後資金三分法」です。
その中身はこんな感じ。
●「残す」お金
●「備える」お金
●「使う」お金
老後資金三分法は、自分の手持ちのお金を3枚の封筒に分けると考えるとイメージしやすいかもしれません。そして、この「老後資金三分法」で最も肝心なのは、分ける順番です。
「老後資金三分法」は分ける順番が肝心
最初に、手持ちの資産から差し引くのは「残す」お金です。言い換えると、自分が死んでしまった後に残しておきたいお金です。これさえ確保しておけば、あとは全部使ってしまってもいいのです。
おひとりさまなど、誰にも残す必要がなければ、最低限の葬式費用や整理費用だけ確保しておけばいいわけですしね。あるいは、ほかの2つのお金が予想以上にかさんだ時の「保険」として残しておくのもアリです。
次に、差し引くのは「備える」お金です。リタイア後の生活では、これをしっかり確保することが心配事の解消につながります。最後に、残った分がこれから「使う」お金(今から使えるお金)となります。
例えば、手持ちの老後資金が2000万円の場合、「残す」お金500万円、「備える」お金に500万円と分けていくと、「使う」お金は1000万円。
単純に1000万円を月5万円ずつ取り崩すと、約16.6年。
そうなんです。こう分けてみると、これから使えるお金は多くない。ちなみに、平均余命は70歳男性が約15年。女性は約19年です。男性はギリギリ持つくらい。女性はピンチ!
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