紙コップは「古紙では回収ができない」驚きの真実 清掃員が手作業で取り除かないといけなくなる

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実はこれが大切なことで、ごみになるようなものはなるべく買わないようになってくる。

たとえば夏祭りや年末のパーティーシーズンでよく目にする紙コップや紙皿なんかの使い捨てアイテム。これが可燃ごみで大量に出されることがある。

なかには気を遣って紙コップを古紙で出してくれる人がいるんだけど、紙コップは古紙では回収できない。

その理由は、紙コップは飲み物を入れても水分がしみこまないように紙にプラスチックがコーティングされているから。紙は一度水で溶かしてからリサイクルするため、プラスチックがコーティングされているとリサイクルができないんです。

なかにはコーティングされていない紙コップもあってリサイクルの意識が高まっているんだけど、その割合はかなり低いのが現状。だからほとんどの紙コップは可燃ごみになります。

耐水加工がほどこされた紙袋なんかも同じ理由で可燃ごみ。なんならそれらが古紙で出されると、清掃員が手作業で取り除かないといけなくなるので、なかなかやっかいなんです。

紙コップから「世の中」を変えていこう!

バーベキューとかをするときに、当たり前のように大量の紙コップを使っていたかもしれないけど、資源になるかどうかを考えると、紙コップは便利だけど、安易に使うのがいいのかどうか、って話にもなる。

そのときに「自分の家からコップ持参してね」って伝えれば、紙コップを買う必要がなくなるし、当然ごみも出ない。

「どうして自分で持ってこないといけないの?」という人には、「紙コップは資源にならないから」って、ごみに関する情報を伝えることができる。

そうすることで、まわりの人の意識もちょっと変わるかもしれない。

こんなふうに、資源とごみのことを考えるようになると、使い捨てのものはなるべく買わないようになったり、野菜も捨てるところがないように食べる工夫をするようになったりする。

僕も買った食品はできるだけ食べ切るようにしているし、それでも出る生ごみは「黒土コンポスト」というもので分解して資源にしているよ。

もちろん、むずかしく考えることはなくて、まずは資源になるごみとならないごみに分けることから始めてみよう。

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