JR東「インドネシア鉄道支援」で得た意外な教訓 「内向き姿勢」からの脱却、車両メンテの重要性

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――インドネシアは昔の日本国鉄と一緒で、長距離優先で国電(近距離通勤電車)は後回しになっています。今は車両の導入が止まってしまったため12両編成が8両に減車されるなどで、混雑が以前よりも激しくなっています。しかし、ダイヤの工夫で8両編成の列車が連続するといったことを解消すれば、まだまだ乗り切れると思います。

ダイヤは長距離のほうから作って調整していくという形になっており、さらにいうと車両基地がボゴール線に集中している。そこから電車をどう回していくか、運用体系も含めて改善できればより安定的なものができあがると思う。KCIの運行もだいぶ安定してきたとのことだが、やはりそこまで協力できればいいなとは思っている。

複々線 ジャカルタ 電車線 列車線 分離
一部区間の複々線化完成によりジャティネガラ―ブカシ間は列車線と電車線が分離されている=2019年11月(筆者撮影)

日本製新車導入の実現性は?

――ただ、根本的に車両は不足しています。205系が入る以前からの車両、とくにチョッパ制御車の経年劣化がひどく、部品もないため稼働車両は減る一方です。早く車両を投入しなければならないということで発注された新車3編成は中国に取られてしまいましたが、KCIからはさらに8編成の導入希望が出ているようです。JR東日本グループのJ-TREC(総合車両製作所)と組んでリベンジということはないのでしょうか?

チョッパ制御のもう存在しない部品をどうするかという点については機器更新であったり、それもできない範疇であれば新車をどのタイミングで入れていくかということになるだろうが、財源もあるから新車ばかり短期間に入れることもできない。

メトロ6000 KCI チョッパ車
元東京メトロ6000系のチョッパ制御車(筆者撮影)

何がベストシナリオかについては日々KCIの質問も受けており、なるべくわれわれとしてもできる協力はしていくつもりだ。8編成の追加の話があるのであれば、やはり日本に興味をもっていただいているのも事実としてあると思うので、ぜひとも協力はさせていただきたいと思っている。

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