中国が圧力?インドネシア「日本の中古電車禁止」 外交弱まる中、民間が築いた信頼維持できるか

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メトロ6000系 ジャカルタ陸揚げ
2012年10月、ジャカルタに到着した元東京メトロ千代田線の車両。この編成は今後、更新の対象となる予定(筆者撮影)
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政府高官は「中国の圧力」否定するが…

インドネシア政府は6月22日、日本からの中古車両輸入を禁止するとの最終決断を下した(2023年7月19日付記事「インドネシア『日本の中古電車輸入禁止』の衝撃」)。これで、首都ジャカルタの通勤輸送を支えてきた日本製中古車両の導入は完全に終了し、今後は国産メーカーである国営車両製造会社(INKA)製車両の導入へ切り替わる。

政府決定の後、CNNインドネシアは海事投資調整庁次官への取材で、日本から中古車両を輸入した場合、ジャカルタ―バンドン高速鉄道建設に対する追加融資を拒否すると中国政府が圧力をかけたという情報を得ていると問いかけた。次官はこれを否定しているが、真偽のほどは不明である。

ただ、中国が実際には圧力をかけていないとしても、インドネシア側がそれを憂慮したというのは十分に考えられるであろう。そして、次官の発言から明らかなのは、今回の決定にはあらゆる外国産品への規制を強化する大統領令に反するイレギュラーは一切認めないという工業省の意向が最大限に反映されたということである。

しかし、ジャカルタ首都圏の通勤路線を運行するKCI(KCI Commuter Line)は3月、INKAと正式に新型電車12両編成16本の発注契約を済ませている。この費用には国家予算が投じられるが、これに加えて中古車両をKCIの予算で追加導入したところで政府には何の痛手も生じないはずで、反対される筋合いはなかった。KCIも、最終的には中古車両輸入は許可されると踏んでいた。実際、2023年6月1日のダイヤ改正では、中古車両の導入を見越して空スジ(列車増発が可能なよう確保したダイヤ)が多数用意されていた。

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