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JR東「インドネシア鉄道支援」で得た意外な教訓 「内向き姿勢」からの脱却、車両メンテの重要性

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  • 高木 聡 アジアン鉄道ライター
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――KCIとの協力関係は、JR東日本の人材育成という面でも非常にいいのではないかと思います。

それはずばりな話だ。公共性のある事業形態が鉄道業の最たるところであり、(KCIに)インドネシアの方々が安心して利用できる鉄道をつくっていただくということが第一ではあるが、弊社の社員育成という点でもメリットは小さくない。

これは一例だが、日々メンテナンスしていた205系が、メンテナンスしなかったらこれだけ故障が起こるのか、というのは日本では体験できない。だから、自分たちの日頃やっていることの確からしさ、正当な部分が目に見えてわかる。

例えば2015年1月は39件の故障があったのが、部品物流とか車両のメンテナンスの仕方を覚えていただくことによって、年々減っていく。われわれの社員がインドネシアに伺って教育を行う、または向こうから日本に来ていただいてヘビーメンテナンスのような設備が必要なことを大宮総合車両センターでやっているが、こういう変化が起こることも含めて社員教育になる。非常に価値があると考えている。

205系登場以前、ODAで導入された日本製車両は車両トラブルが日常茶飯事だった。人々が運転再開を線路内で待つ光景も今では見られない=2013年7月(筆者撮影)
JR東日本社員によるパンタグラフのメンテナンス教育(写真:JR東日本提供)

内向きにならない視点を

――国際人材の育成という面ではいかがですか。これまで出向者の方に話を聞くと、まさかインドネシアに来るとは思わなかったという方が非常に多いです。今年からは選抜メンバーによるインドネシア語学研修も再開されました。すでにプロジェクトがあるインドネシアの人気は高いのでしょうか?

海外鉄道事業ユニットマネージャー・松田敏幸氏:やはりインドネシアは象徴的なので、希望者は一定程度いる。あくまで個別例だが、今の私の部下のようにインドネシアに車両を送っているというビジネスを見て入社したという社員もおり、やはり影響は大きい。

日本でインドネシアの鉄道社員に教育を行う様子(写真:JR東日本提供)

――日本国内の鉄道会社ということもあり、以前は外向きの人は少ない印象でした。

われわれが入社したころはそうだったが、私も海外に出て初めてわかったことは大きい。内向きにならないという観点からしても、今後とも幅を広げていきたいと思っている。

――インドネシアに限らず、今後海外案件に取り組む際にそのような人材がいないとどうしてもできなくなる部分があると思います。

その通りだ。

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