Netflix「動画配信で成功」を実現できた企業文化 経営者だけでなく従業員にまで浸透している

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しかし、ある一定の信頼関係を株式市場と構築できなければ、その企業の株価は低迷し、企業価値が減少していくことで、本業に必要な資金調達がむずかしくなるなど、本業に支障をきたす状況へつながる。他社に買収されてしまうことすら考えられよう。

株式市場から正当な評価を得て、本来成し遂げられるべき成長を実現していくためには、会社が株式市場と長期的な信頼関係を築いていくことが極めて重要となる。ここでは、そのような関係を築いていくためにどのようなコーポレートカルチャーが求められるかについて、何点か取り上げたい。

ネガティブな情報ほど積極的に開示すべし

会社の誠実性

会社のマネジメントやIR担当者は、当然、自分の会社の株価を上昇させたいというインセンティブがある。そのため、会社の業績や、新しい商品やサービスの開発状況、ESGへの取り組みなど、基本的にはできるだけ良い情報を強調して、悪い情報についてはできる限り触れないようにする傾向がある。

投資家としては、もちろんポジティブな話を聞きたいので、その場では会社のマネジメントやIR担当者の話を聞いて満足することになるが、後になってその話がポジティブな面を誇張したものであることに気づいた場合、「あの会社は誠実ではない」と判断されてしまう可能性がある。

投資家は、日常的に他の投資家と情報交換をしており、「あの会社は誠実ではない」という話が広まってしまうと、それが株式市場全体の共通認識となってしまう可能性すらある。そのようなリスクを避けるためには、ポジティブな話だけではなく、ネガティブな話も含めて、誠実にコミュニケーションを行なうことが重要だ。

以前、欧州の広告会社のマネジメントとミーティングをした際の話を取り上げたい。

その広告会社は、紙ベースの広告を駅やバス停などの人の目につくところに出すことによって、広告主から収益を得るビジネスを経営していた。ところが、この十数年のあいだに、広告の主戦場はインターネットに場所を移し、フェイスブックやグーグルに広告業界におけるシェアを奪われる状況が続いていた。

次ページミーティングの半分を費やした説明は
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